最高裁判所第二小法廷 昭和41(オ)1083 判決
主 文
原判決中、上告人らの被上告人に対する控訴を棄却した部分を破棄し、
同部分につき本件を東京高等裁判所に差し戻す。
理 由
原判決(第一審判決引用を含む。以下同じ。)は、本件第一審脱退原告D冷蔵株
式会社と上告人Aとの間に締結された本件土地賃貸借契約は都市計画実施までの一
時使用の賃貸借契約であるところ、それは既に右当事者間において合意解除された
こと、これに代つて前記第一審脱退原告と上告人Aらとの間で昭和二六年五月三〇
日頃締結された本件土地の使用貸借契約も、本件土地につき都市計画の実施に伴う
土地収用がなされるまでを貸借期間とし、借主は各占有土地部分の換地につき何ら
の権利をも主張しない約定で成立したこと、およびその後東京都知事は昭和三四年
二月一四日本件土地に対する仮換地指定の通知書を発し、右指定は同月二一日発効
するに至つたことを認定し、従つて、前記使用貸借契約も右仮換地指定の発効によ
り期限到来し終了するに至つたと判断している。�
原判決の右認定によれば、前示賃貸借契約および使用貸借契約はいずれも本件土
地について実施された土地区画整理事業の関係から見れば、従前の土地についてな
されたものと解せざるをえない。ところで、原審の認定によれば、本件土地につい
て既に仮換地指定の効力が生じでいるというのであるから、土地区画整理法九九条
の適用上、従前の土地の所有者は、その土地を使用収益できないことなり、その反
面従前の権原に基づき仮換地を使用収益できることになつたと見なければならない。
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しかるに、原審は、この関係について何ら審理を尽さず、本件土地の現所有者た
る被上告人株式会社Bの所有権に基づく妨害排除としてるの建物収去、退去および
土地明渡の請求を認容している。�
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従つて、原判決には、右の点に関する実体法の適用につき、審理不尽、理由不備
の建法があるといわねばならないから、上告論旨について判断するまでもなく、原
判決中、被上告人の上告人らに対する請求を認容すべきものとして上告人らの控訴
を棄却した部分は破棄を免れず、同部分につき本件を原審に差し戻すべきものとし
て、民訴法四〇七条一項を適用し、裁判官全員一致をもつて、主文のとおり判決す
る。
最高裁判所第二小法廷
裁判長裁判官 奥 野 健 一
裁判官 草 鹿 浅 之 介
裁判官 城 戸 芳 彦
裁判官 石 田 和 外
裁判官 色 川 幸 太 郎
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